このページに登場する昆虫
目次に戻る
マイマ
イガ
Lymantria disper(LINNAEUS)
英名 Gypsy moth
- 分類 鱗翅目 ドクガ科 LYMANTRIIDAE
(本州産の亜種名は japonica MOTSCHULSKY ,北海道産は praeterea KARDAKOFF
,または,hokkaidoensis G0LDSCHMIDTが使われている)
- 体長 老熟幼虫:50〜70mm 成虫:開張30〜50mm
- 加害樹種 カラマツ,シラカンバ,ミズナラ,クリ,ハルニレ,ナラ類,ハン
ノキ,ヤナギ類,その他の広葉樹・草本類
- 被害 10年内外の周期で大発生することが知られている。葉を食害する。食害
時期が6〜7月中旬と比較的早い時期であることから,冬芽も形成され,普通は枯
死することはない。
- 生活史 年1世代。卵で越冬し,5月上旬にふ化した幼虫は気温が18℃を越すよ
うな暖かい日に樹幹を登り,開葉まもない若葉を食べ始める。若齢幼虫は糸を吐
いて垂れ下り,風にのって分散するのでブランコケムシともよばれる。6月中旬
,4齢になると幼虫の食害量は急激に増大する。終齢は5〜6齢である。7月上旬に
蛹化をはじめ,中〜下旬に羽化する。成虫は樹幹に産卵し,位置は根元から2m程
度の間に多い。卵塊は灰褐色の鱗毛に覆われる。
|
|
終齢幼虫 |
粗末な繭の中の蛹 |
|
|
|
|
雌成虫 |
シラカンバ樹幹に産まれた卵塊 |
ノンネマイ
マイ
Lymantria monacha(LINNAEUS)
英名 Nun moth
- 体長 老熟幼虫:50〜60mm 成虫:開張40〜50mm
- 加害樹種 エゾマツ,その他のトウヒ類,トドマツ,カラマツ,マツ類,ミズ
ナラ,カシワ,ブナ,シラカンバ
- 分布 日本,サハリン,朝鮮,中国,ロシア,ヨーロッパ
- 被害 北海道では発生の記録はあるがマイマイガのように大被害を与えたこと
はない。
- 生活史 年1世代。卵で越冬。5月下旬にふ化する。7月中旬に老熟した幼虫は
枝葉の間に薄く糸をはり中で蛹化する。8月上旬に羽化し,成虫は樹幹の樹皮の
裂間,あるいは粗皮の下に20〜30個の卵を卵塊状に産みつける。
ヤナギドクガ
Leucoma salicis(LINNAEUS)
英名 Satin moth
- 体長 老熟幼虫:約50mm 成虫:開張40〜50mm
- 分布 北海道,本州(中部山岳),旧北区北部,北アメリカ
- 被害 大発生をしてポプラ並木の全葉を食いつくした例がある。
- 生活史 年1世代,卵で越冬。5月上・中旬にふ化した幼虫は葉を食害し,7月
中・下旬に葉をまげて薄い絹糸を張った中で蛹化する。羽化した成虫は食樹の樹
幹や枝に卵を産む。卵は緑白色で,1卵塊は150〜200粒,光沢のある泡沫状の分
泌物でおおわれている。
- 近似種 本種と似た種にブチヒゲヤナギドクガがあるが,ブチヒゲヤナギドク
ガは幼虫の背面の斑紋が黒褐色であること,成虫の触角の柄の背面が黒と白のま
だらであることにより区別できる。
キアシドクガ
Ivela auripes(BUTLER)
- 体長 老熟幼虫:30〜40mm 成虫:開張35〜50mm
- 被害 ときに大発生することがある。多数の幼虫に一葉も残さず食いつくされ
たが,7月下旬〜8月上旬に葉が再生し枯死にはいたらなかった。北海道では昭和26
年に士別町で50〜54年に石狩,空知,胆振,日高地方で大発生の記録がある。
- 生活史 年1世代。卵で越冬。5月上旬にふ化した幼虫は梢端にのぼり,葉を食
害する。老熟した幼虫は6月下旬に粗い繭をつくり,蛹となる。成虫は7月上・中
旬に羽化する。灯火にも飛来するが,昼間食樹の近くを群をなして飛ぷ。雌成虫
は食樹の幹に卵を一層にならべてうむ。
目次に戻る